エピクロス派は、紀元前3世紀に古代ギリシャで誕生した哲学の流派です。
このページでは、「アタラクシア」「ヘドニズム」といったエピクロス派の思想を分かりやすく解説します。
また、エピクロス派の思想を現代社会で生かす方法を紹介します。
- エピクロス派の思想
- エピクロス派の代表的な哲学者
- エピクロス派の思想を現代社会で生かす方法
- エピクロス派のおすすめ入門書
- エピクロス派の概要と時代背景
- エピクロス派の主な思想
- エピクロス派の代表的な哲学者
- エピクロス派とストア派の違い
- エピクロス派の思想を現代社会で生かす方法
- エピクロス派のおすすめ入門書
- (おまけ)エピクロスの面白エピソード
- まとめ
エピクロス派の概要と時代背景
エピクロス派が流行する以前のギリシャでは、人々はポリスという共同体の中で生活していました。
しかし、紀元前334年~紀元前323年にかけて、マケドニア王国のアレクサンドロス大王が征服戦争によって、ギリシャからインドにわたる広大な帝国を築き上げました。
ポリスで暮らしていた人々は、今まで当たり前と思っていた世界の形がいきなり変わり、とても動揺していました。
エピクロス派の哲学者たちは、この不安定な世界の中で、個人はどうすれば幸せになれるのかという問いについて考えました。
エピクロス派の主な思想
エピクロス派の思想は、「アタラクシア(心の平静)」と「ヘドニズム(快楽主義)」を中心に展開されました。
アタラクシア(心の平静)
アタラクシアとは、心の平静な状態を言います。
エピクロス派の思想では、個人はアタラクシアの状態になることで幸福になることができます。
そして、アタラクシアの境地にたどり着くために、感情が揺さぶられるような状況から距離を置くことが重要であると主張しました。
ヘドニズム(快楽主義)
ヘドニズムとは、快楽を追求すべきとする考え方です。
エピクロス派では快楽と苦痛の差を最大限にすることを目指しました。
ただし、エピクロス派の言う「快楽」とは、私たちがイメージするような物欲の追求ではなく、精神的な快楽や節制を意味します。
エピクロス派の代表的な哲学者
エピクロス
エピクロスは、エピクロス派の創始者であり、アタラクシアとヘドニズムを中心とした哲学を展開しました。
エピクロスの有名なフレーズに「隠れて生きよ」というものがあります。
エピクロスによれば、世間には人間の感情を刺激する物が多いため、私たちはなるべく世間から遠ざかることによって、精神的な快楽を得ることができます。
ルクレティウス
ルクレティウスは、ローマの詩人であり、『物の本性について』という詩を通じてエピクロス派の思想を広めました。
エピクロス派とストア派の違い
エピクロス派は、同時代に流行したストア派とよく比較されます。
ストア派とエピクロス派はどちらも個人の幸福を追求する思想ですが、どのように幸福を実践するかという違いがあります。
ストア派では、感情を理性で制御することによって不動の心を得ることを目指しました。
一方、エピクロス派では、感情を揺さぶられる機会をなるべく減らすことによって心の平静を得ることを目指しました。
|
ストア派 | エピクロス派 |
---|---|---|
創始者 | ゼノン (前335-前263) |
エピクロス (前341-前270) |
格言 | "自然に帰れ" | "隠れて生きよ" |
目指すもの | アパテイア (不動の心) |
アタラクシア (心の平静) |
どのように 目指すか |
感情を理性で制御する | 感情を揺さぶられる 機会を減らす |
エピクロス派の思想を現代社会で生かす方法
エピクロス派の思想を、現代社会で生かす方法を紹介します。
心の平静の追求
日常生活でストレスが溜まりやすい現代において、瞑想や散歩を意識的に行うことで心の平静を追求してみましょう。
精神的な快楽の重視
物欲の追求ばかりに囚われず、友情や家族の絆、趣味など、精神的な快楽を大切にしましょう。
エピクロス派のおすすめ入門書
エピクロス派の思想を学ぶためのおすすめ入門書を紹介します。
(おまけ)エピクロスの面白エピソード
エピクロスは、彼の学園「エピクロスの園」において、当時の慣習に反して、女性や奴隷も参加させるなど、非常に自由で平等な雰囲気を作り出していました。
このことが、後世の哲学者たちにも大きな影響を与え、エピクロス派の思想がさらに発展していったと言われています。
自由な雰囲気づくりが組織を活性化させる良い例ですね。
まとめ
この記事では、「アタラクシア」「ヘドニズム」といったエピクロス派の思想を解説しました。
心の平静の追求、精神的な快楽の重視など、エピクロス派の教えを取り入れることで、より充実した人生を送ることができるでしょう。