アウグスティヌスの思想をわかりやすく解説!神の国、地の国とは?

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アウグスティヌス(354 - 430)は、古代キリスト教の代表的な神学者・哲学者です。

このページでは、アウグスティヌスの思想をわかりやすく解説します。

また、アウグスティヌスの思想を現代社会で生かす方法を紹介します。

  • アウグスティヌスの思想
  • アウグスティヌスの思想を現代社会で生かす方法
  • アウグスティヌスのおすすめ入門書

アウグスティヌスの生涯と時代背景

アウグスティヌスは、北アフリカのタゲステ(現アルジェリア)で生まれ、カルタゴで文学や弁論術を学びました。

彼の母親は熱心なキリスト教信者でしたが、アウグスティヌス自身はマニ教に傾倒するなど、信仰に悩んでいました。

しかし32歳の時に、プラトンの系譜を引く哲学に触れたことをきっかけに、キリスト教に改宗します。

その後は司教となり、神学や哲学の著述を残しました。

当時のヨーロッパは、ゲルマン民族の大移動が起きており、それまでの平和な世界が脅かされていた時代でした。

アウグスティヌスの主な思想

アウグスティヌスの主な思想を紹介します。

神への愛(カリタス)

アウグスティヌスは、「神への愛」こそが人間の最高の営みであり、そのことが人間を幸福にすると主張しました。

「神の国」と「地の国」

アウグスティヌスは、私たちが生きている世界は、「神の国」を元に創造された「地の国」であると説明しました。

そして、たとえ「地の国」が異民族によって滅ぼされたとしても、「神の国」では永遠の安らぎが得られると主張しました。

具体的には「神の国」は教会のことを指しており、この理論は正統派のキリスト教を理論的に支えることになりました。

悪の問題

アウグスティヌスは、「善である神が創造した世界に、なぜ悪が存在するのか」という問題に取り組みました。

その問いに対して彼が出した結論は、「悪は実在せず、善からの逸脱である」というものでした。

つまり、悪は善が欠けている状態だということです。

原罪

アウグスティヌスは、アダムとイブの罪(原罪)が全人類に遺伝すると考えました。

この原罪の救済は、キリストの犠牲によってのみ可能であると主張しました。

この考え方は、現代のキリスト教にも受け継がれています。

実践!アウグスティヌスの思想を現代社会で生かす方法

アウグスティヌスの思想を現代社会で生かす方法を紹介します。

他者への愛

アウグスティヌスの「神への愛」は、キリスト教における神を全うすることを重視しています。

キリスト教徒でない人にとってはピンときませんが、これを他者への愛や奉仕活動に置き換えてみてはいかがでしょうか。

ボランティアやチャリティ活動を通じて、他者を思いやる人生というのも良いですよね。

悪の問題

悪が善からの逸脱であるという考え方は、現代社会においても、人間の持つ善と悪の二面性を理解する手がかりとなります。

「相手が悪い」と切り捨てるのではなく、分かり合えるポイントがあることを信じて、粘り強くコミュニケーションをとることも大事です。

原罪

キリスト教徒でなくても、「人間が罪を背負った存在である」という前提で考えることによって、道徳的にふるまえるようになります。

自分自身の行動が他者や社会に与える影響を考慮し、良心に基づいた行動を心がけてみましょう。

アウグスティヌスのおすすめ入門書

アウグスティヌスの思想を学ぶためのおすすめ入門書を紹介します。

 

(おまけ)若い頃は放蕩生活

アウグスティヌスの自伝『告白』には、彼の若い頃のエピソードが綴られています。

彼は、若い頃に放蕩生活を送っており、後にキリスト教に改宗することで人生を大きく変えました。

このような過去の経験が、彼の思想や哲学に大きな影響を与えていると言われています。

人生の中で寄り道をしても、それが将来思わぬ形で自分の財産になるのかもしれないですね。

まとめ

この記事では、アウグスティヌスの思想をわかりやすく解説しました。

アウグスティヌスは古代キリスト教の神学者・哲学者として、神への愛(カリタス)、悪の問題、原罪といった思想を展開しました。

これらの思想は、現代社会においても、他者への愛や寛容さ、道徳的責任を育むヒントになるかもしれません。

アウグスティヌスの思想を理解し、現代社会で実践することで、より良い人間関係や社会を築いていきましょう。