「ギュゲスの指輪」とは、古代ギリシャに伝わる思考実験です。
この記事では、ギュゲスの指輪についてわかりやすく解説します。
また、現代社会に生きる私たちがギュゲスの指輪の思考実験から学べることを紹介します。
- ギュゲスの指輪とはどんな思考実験か
- ギュゲスの指輪の本質
- 現代社会に生きる私たちがギュゲスの指輪から学べること
ギュゲスの指輪とは?
昔、ギュゲスという男性が洞窟で指輪を発見しました。
ギュゲスがその指輪をはめると、たちまち体が透明になり、周囲からはまったく姿が見えなくなりました。
その後、ギュゲスはこの力を利用して王宮に忍び込み、王を殺して王位を奪い、王妃を略奪してしまいました。
さて、ここで問題です。
もしあなたがその指輪を手に入れたら、ギュゲスのように私利私欲のために使うでしょうか。
それとも、グッとこらえて罪を犯すことを回避できるでしょうか。
ギュゲスの指輪の本質は「なぜ正義を守るのか」
ギュゲスの指輪のエピソードが問うのは、「人間はなぜ正義を守るべきなのか」ということです。
人が正義を守るのは、自分の心の底から「守るべき」と考えるからなのでしょうか。
それとも、正義を守らなければ社会的に罰せられるからなのでしょうか。
古代ギリシャの哲学者ソクラテスはこの質問に対し、「正義とは内面的な善であり、魂の健康に不可欠である」と答えました。
つまり、正しい行動をすることで個人は幸せになり、逆に正義に反する行動をすると不幸になるということです。
したがって、ギュゲスのように罰を受けることなく不正を行える状況があったとしても、真に正義を理解し内面化している人は、それに屈することはないとソクラテスは主張しました。
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ギュゲスの指輪から学ぶべきこと
現代に生きる私たちは、ギュゲスの指輪の思考実験から何を学べるでしょうか。
それは、自分にとっての正義に従って行動すべきということだと思います。
ギュゲスはおそらく、「人を殺すべきではない」という正義と「王になりたい」という利益の間で思い悩んだことでしょう。
しかし、現代は社会が複雑化し、価値観が多様化しているため、正義も利益もそこまで単純なものではなくなってしまいました。
例えば、子どもを産むことは正義でしょうか?利益になるでしょうか?
その答えは人それぞれで、絶対的な正解(=正義)はないと思います。
しかし、もし自分の中に「絶対に子どもを生みたい」という希望があるのなら、それはもはや自分の中の正義であると言えます。
この場合は、たとえ経済的に不利益になったとしても、子どもを産んだ方が幸せになれるでしょう。
古代でも現代でも、利益のみに目を奪われ正義から目を背けていると、幸せは得られないのかもしれませんね。
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まとめ
この記事では、古代ギリシャに伝わる「ギュゲスの指輪」の思考実験についてわかりやすく解説しました。
ギュゲスの指輪は人がなぜ正義を守るのかを考える思考実験です。
正義と利益のどちらが幸せをもたらすのかという問いは、現代に生きる私たちにとっても重要なテーマだと思います。