墨子(ぼくし、紀元前470頃 - 紀元前391頃)は、古代中国の思想家です。
この記事では、「兼愛」「非行」といった墨子の思想をわかりやすく解説します。
また、墨子の思想を現代社会で生かす方法を紹介します。
- 墨子の主な思想
- 墨子の思想を現代社会で生かす方法
- 墨子のおすすめ入門書
墨子の生涯と時代背景
墨子は紀元前470年頃に中国に生まれました。
墨子が生きた時代は春秋戦国時代と呼ばれる戦乱の時代で、各国が覇権を競い合っていました。
この時代背景から、墨子は「兼愛」「非行」といった思想を展開し、当時の軍事的な問題に対し、現実的な解決策を提示しようと試みました。
墨子の主な思想
墨子の主な思想を紹介します。
墨子は、平和を重視する一方で、現実主義的な考えも持っていました。
兼愛(けんあい)
「兼愛」とは、すべての人を平等に愛するという考え方です。
彼は、自分の家族や国家だけでなく、他国の人々も大切にすべきだと主張しました。
この兼愛の考え方が、墨子の思想の根幹になっています。
非攻(ひこう)
「非攻」とは、他国に対して攻撃を行わないという考え方です。
ただし墨子は、自国の安全を守るための戦争は認められるという現実主義的な考えも持っていました。
節用(せつよう)
「節用」とは、資源を無駄にしないことを重視する思想です。
墨子は、贅沢や浪費を避け、簡素な生活を送ることを求めました。
実践!墨子の思想を現代社会で生かす方法
墨子の思想を現代社会で生かす方法を紹介します。
地球環境保護
墨子の兼愛の精神を、地球環境保護のために活用することができます。
環境問題は人々が自分の生活環境を快適にしようとした結果、地球全体としてはどんどん環境が悪化して、最終的には全ての人にデメリットが及ぶという性質があります。
遠い外国の地で発生している環境問題も自分たちの問題と捉え、積極的に取り組むことが求められます。
非攻と平和的解決
現代社会でも、国際紛争の解決のためには、武力行使を避け、対話や交渉を図ることが基本です。
個人同士の関係も全く同様で、こちらが攻撃的なスタンスをとることで、本来起こらなかったはずのいざこざが発生してしまうことがあります。
相手と敵対しそうな時は、敢えて非攻のスタンスを見せることによって、無駄な争いを避けることができるかもしれません。
ただし、相手から攻撃してきた場合は、積極的に防衛することも重要です。
家計の節約
墨子の節用の考えは、そのまま家計の節約にも適用できます。
毎月何にいくら費やしているかを把握し、無駄な消費を削ることで、人生がより豊かになるでしょう。
墨子のおすすめ入門書
墨子の思想を学ぶためのおすすめ入門書を紹介します。
(おまけ)墨子の面白エピソード
墨子は多方面で活躍していたため、多様なエピソードが残っています。
軍事家や戦術家としても活躍
墨子は思想だけでなく、実際の兵器や戦術に関心があり、自ら軍事技術を磨いていました。
例えば、墨子は「百錬の剣」と呼ばれる鉄剣を製造する技術を持っており、その剣の切れ味と強度は群を抜いていたと言われています。
また、彼は戦術家としても知られており、敵国の攻撃を何度も防いだという逸話が残っています。
鳥を真似して飛ぶ
墨子は自然界から学ぶことを大切にしていました。彼は鳥が空を飛ぶ仕組みを研究し、自ら木製の翼を作って空を飛ぼうとした、という伝説があります。
博識であると同時に好奇心と行動力を備えた人物だったようですね。
まとめ
この記事では、「兼愛」「非行」といった墨子の思想をわかりやすく解説しました。
墨子の思想の中心にある、兼愛・非攻・節用といった考え方は、現代の現実主義に通じるものがあります。
理想を持つことも大切ですが、こうした現実主義的な考え方も見逃せないですね。