構造主義をわかりやすく解説!代表的な哲学者やおすすめ入門書を紹介

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構造主義は、1960年代にフランスを中心として発展した哲学です。

この記事では、構造主義についてわかりやすく解説します。

また、構造主義の代表的な哲学者とその思想を紹介します。

  • 構造主義とはどのような思想か
  • 構造主義の代表的な哲学者
  • 構造主義のおすすめ入門書

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構造主義とは?

考える女性

構造主義とは、人間の思考や人間社会が、目に見えない何か(=構造)によって決められているという考え方です。

例えば、マッチョな男性が専業主夫をしていると「意外!」と思ってしまいますが、この「意外!」という思考は、実は私自身から生まれた物ではない可能性があります。

私たちは幼い頃から、絵本や動画を通して「会社で働く男性」や「家事・育児をする女性」の姿を何度も見ているため、脳の無意識の領域に「男性は主に働く人、女性は主に家事・育児をする人」という常識が刷り込まれています(最近はそのような常識は薄まっているかもしれませんが)。

「幼少期の刷り込み」のイメージ

そのため、たとえ個人的に専業主夫が「アリ」だと考えていても、実際に専業主夫を見ると、無意識のうちに意外性を感じてしまうのです。

つまり、私たちは自分の本来の嗜好とは関係なく、「男女の役割分担」という目に見えない「構造」の影響を受けながら思考していると言えます。

マッチョな専業主夫を見て驚く女性

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構造主義の特徴

ネットワークを考える女性たち

構造の普遍性

構造主義では、異なる文化や時代を超えて共通する、普遍的な構造が存在すると考えます。

例えば、日本の神話では、イザナギという男性が、亡き妻のイザナミと再会するために、黄泉の国(=死後の世界)を旅するというエピソードがあります。

イザナギとイザナミと黄泉の国

イザナギ(左)とイザナミ(左から2番目)

そして、実はギリシャ神話にも、オルフェウスという男性の詩人が、亡き妻エウリュディケを冥界(=死後の世界)から連れ戻そうとするエピソードがあります。

エウリュディケを連れ戻そうとするオルフェウス

オルフェウス(右)とエウリュディケ(左)

2つの神話はとてもよく似ていますね。

これらの神話から、日本人とギリシャ人の間に「死んでしまった恋人と再会するために、男性が危険を乗り越える」という共通の発想(=構造)を見出すことができます。

構造主義では、このように異なる文化の間で共通しているものに注目し、そこから共通の法則を導きます。

関連性の重視

構造主義では、人間がものごとを考える時に、その「何か」を単独で見るのではなく、「別の何か」との関連性の中に意味を見出すと考えます。

例えば、デニムパンツは19世紀のアメリカで、鉱山で作業する労働者のズボンとして開発されました。

しかし今日では、女性のおしゃれなファッションアイテムとして使われることもあります。

デニムパンツの昔と今

デニムパンツの昔と今

「19世紀アメリカのデニムパンツ」と「現代のデニムパンツ」は、デニム素材でできたパンツという意味では同一のものであると言えます。

しかし、「はく人」や「はかれる場所」といった「デニムパンツとは別の何か」との関係性が大きく変化しているため、両者はもはや別物であると言えるでしょう。

このように、構造主義では物事を単独で考えるのではなく、物事同士の関係性を重視します。

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言語の重視

構造主義では、言語を社会や文化の基本的な構造とみなし、重視します。

例えば、日本語の「ネズミ」は、英語では「rat」と「mouse」の2通りの表現があります。

「rat」は大型のネズミ、「mouse」は小型のネズミを指すのですが、日本語では大きさで区別することなく、まとめて「ネズミ」と呼びます。

「rat」と「mouse」と「ネズミ」

「rat」と「mouse」と「ネズミ」

そのため、もし英語圏の人に「ネズミ」という日本語を教えようとしても、「ratのこと?mouseのこと?」といった感じで、うまく伝わらないでしょう。

なぜなら、英語圏の人は大型のネズミと小型のネズミを完全に別のものだと考えているからです。

言語はこのように、それぞれのコミュニティの考え方の違いを表しているため、構造主義では言語の分析が重視されます。

自由意志の否定

「自由意志」とは、個人が自由に物事を考え、自由に行動することができるという考え方です。

構造主義では、この自由意志を批判的にとらえています。

近代の哲学では人間の自由意志を重視し、個人が主体的に考え、行動することを強調してきました。

しかし、構造主義では、個人は自由で独立した存在として生きているのではなく、言語や文化的な構造によって意志を形成していると考えます。

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構造主義の代表的な哲学者

フェルディナン・ド・ソシュール

ソシュールの写真

フェルディナン・ド・ソシュール(1857 - 1913)

ソシュールは言語の分析を通じて、言語が特定の意味とあらかじめセットになっているのではなく、それぞれのコミュニティ(言語圏)の考え方の違いによって、別々の発展をしてきたと主張しました。

つまり、私たちの発想は、所属しているコミュニティの影響を受けているということになります。

この発見が、後の構造主義に大きな影響を与えました。

クロード・レヴィ=ストロース

レヴィ=ストロースの写真

クロード・レヴィ=ストロース(1908 - 2009)
UNESCO/Michel Ravassard, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons

レヴィ=ストロースはブラジル先住民が暮らす地でのフィールドワークを通じて、言語や社会の「構造」が人間の思考や行動に与える影響を研究しました。

レヴィ=ストロースはその研究を元に、人間の思考や文化は特定の構造によって形成され、その構造は普遍的な法則に基づいているのだと主張しました。

ミシェル・フーコー

フーコーの写真

ミシェル・フーコー(1926 - 1984)

フーコーは監獄の研究を通じて、監獄制度が単に人々を罰するだけではなく、人々を規律化する機能を持っていると分析しました。

そして規律化の機能は監獄そのものを超えて、学校、病院、工場など、私たちの日常生活の場でも、監視と規律化のメカニズムを作っていると主張しました。

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構造主義から学べること

広告看板を見ている男性

現代に生きる私たちが構造主義から学べることの一例として、「広告の色」を見て、その広告の狙いを考てみる、ということ紹介します。

色は人間の本能に訴えかけることが知られています。

例えば、赤色は注意を引き、エネルギーと情熱を象徴する色です。

人間は赤色を見ると、活動的になったり緊迫感を感じたりします。

そのため、期間限定セールの広告や飲食店の看板では、その場の行動を促すために赤色が使われていることが多いです。

他にも、青色は信頼性と安心感を与えることを目的として銀行や保険会社のロゴによく使われていたり、緑色は自然を連想させることを目的として健康食品のパッケージによく使われています。

「私たちの行動が何かに縛られている」という構造主義の視点から広告の色をよく見ることで、その「縛り」の正体を発見できるかもしれませんよ。

構造主義を学びたい方におすすめの入門書

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他の思想との関係

本の写真

構造主義と対立する思想として、実存主義があります。

実存主義とは、人間がどうあるべきかという「本質」よりも、個人がどうありたいかという「実存」を重視する哲学です。

構造主義が個人の自由意志よりも社会や環境の影響を重視するのとは対照的ですね。

まとめ

この記事では、構造主義の考え方と代表的な哲学者についてわかりやすく解説しました。

構造主義は、単なる哲学ではなく、私たちの世界を理解するための鍵となる考え方です。

構造主義を学ぶことで、日ごろ自分を拘束している何かの正体が見破れるようになるかもしれませんよ。

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